midday crow
胸のもやもやが増してしまった。

とても曲を作れるような気分ではない。

なんでそんなに平然としているんだ、と叫んでしまいたくなる。

「……え、どこ行くの?」

気づいたら太陽は、部室のドアに手をかけていた。

「ちょっと! そこまで!」

「そこってどこ」

冷静な問いは聞こえなかったふりで、太陽は廊下に飛び出した。

しばらく進んでから振り向く。

部室の扉は閉まったまま、開く気配はない。

追いかけてもこない。

一人不機嫌を募らせて、太陽は廊下を走り出した。
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