midday crow
「俺が紅羽を……?」

考え込むように片手で口元を覆い、太陽は俯く。

彩人はかつてないほど焦っていた。

藤が、紅羽が思い立ったと言っていた。

精算を、と言った彼女の眼差しを覚えている。

紅羽が動いているのは、偏に太陽とまっすぐに、嘘偽りなく向き合うためだ。

そのための精算、であろう。

今太陽が恋を自覚して、告白なんかしたとしたら、それは紅羽の望むところではないわけだ。

「……そうかも、しれない……」

うわー!

今日ほど焔の鈍感を恨めしく思った日はない。
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