白井君の慰め方
「よかった、俺話があんだよね」
「誰に?」
「相原さんに」
「そうですか。でも見ての通り委員の仕事があるもので」
「うん。で、昨日さー」
「聞いてます?今はちょっと」
「白井と話してるとこ初めて見たんだけど、」
「話は無理です」
「まじで驚きだったんだけどさ」
「無理です」
「…なんか塩感増して無い?」
そりゃあそうである。昨日のこの人の言動の迷惑さ。理解しないでやってのけているのならもう関わりたく無い。分かっててやってたとしたらもっとタチが悪い。もう関わりたくは無い。
「流石に酷すぎじゃない?相原さん友達居る?」
「……」
「出た、シカトだよ!まじでとんでもねーわ」
「……」
もう嫌われた方がマシだと思う。からかわれて嫌な思いをしてるのがこの人には伝わっていないんだから。昨日だって色々拗れて大変な事になりそうだったのも分かってない。暇つぶしのおもちゃにされて迷惑なのだ、もう分かって欲しい。
「あーあ。残念」
すると急に、奴はくるりと元居たグループの人達やら、他の委員の人達やらが居る方を向いて大きく息を吸い込んだ。
「相原さんが好きな奴の前であんなに態度変わると思わなかったー」
「…!」
え、何?何??
慌てる私をチラリと見る奴は、ニヤリとしたり顔。理解した。これは私の態度への仕返しだ!
「待ってたの?うん。の声!ごめん、先帰るね、の声!そっと擦り寄った時の距離感!」
「!や、やめっ、」
「これは無いわー。好きな奴の前だけ態度変わる女は無いわー。まさかこんなに塩な相原さんに限って、」
「やめて下さいごめんなさい!」