白井君の慰め方

ずっと脳内で囁かれ続ける一日がもうしんどくて仕方がない!何故か浮かれてドキドキがしんどい!

「こ、恋の病…」
「それは立派な頭の病気だわ」
「本当だよ…これは保健室で寝ていた方が良いやつ…」
「保健室イベントのフラグ建設中に悪いんだけど、確かこの後環境委員のお仕事があったかと」
「ありました…行ってきます…」

今週は、昼休みに中庭の花壇の手入れをしなければならなかったんだった。このタイミングでこんな事ってある?このままじゃ花壇の手入れ中も一人で唸ったり声出ちゃったりしちゃうよ…きっと他の委員の人に変な目で見られてしまう。

「花壇手入れルートも無きにしも非ずでしょ」
「その言葉信じるからね」

鼻で笑う友人にジト目で返し、やれやれと教室を出た。そんなルートは存在しない。だって白井君は昼休みに外に出るタイプじゃないもの。自分のクラスか他のクラスで友達と集まってゲームしてるタイプだもの。今日もきっとそう…

太陽サンサンの絶望草むしりだ…まぁ軍手にゴミ袋携えたジャージ姿を白井君に見られなくて良かったか…やっぱり昼休みまで外に出るって言ったら、室内に留まれないくらい元気が有り余ってるタイプの人だよね。こう、とにかく高校生活に充実感のあるタイプの…

「あ、相原さんじゃーん!」

でた。こういう人だ。

「何その軍手、ウケる」
「……環境委員なもので」

最近このパターン多すぎではないだろうかと思う。なんで三嶋君に声掛けられてんだろう、キラッキラの笑顔である。向こうにいるお友達のグループから離れてわざわざお越し下さっている。向かうの人達は興味なさうにしてるから良いけれど、私と三嶋君じゃあ訳が分からない組み合わせだろう。サッカーはどうしたサッカーは、してきて良いのに。

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