本命同盟
片眉をあげて不敵に笑った直人は右手で拳を作った。


「やれるもんならやってみなさいよ。」


べーっと舌を出して直人から逃げ出す。


「あ、こら待ちやがれ!」


私を追って直人との追いかけっこが始まった。


こういう時、私は絶対に廊下には出ない。


障害物のある教室ならともかく、もはやただの道でしかない廊下では確実に捕まるから。


こんなヘロヘロしたやつでもサッカー部のエースなんだから謎だよね。


そこに和馬までやってきてみずほの隣に立った。


「またやってる。あの二人」


「喧嘩するほど仲が良いってまさにあの二人のことだよね。」


まるでほほえましいものを見るかのように言う二人に私たちは顔を見合わせて二人の方を向いた。


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