本命同盟
「いい子じゃないから」


貼り付けたような笑みが怖い



「あなたは幸せになんてなれない」



強い力で私の腕を掴む



「幸せになんてさせない」



そう言ったあの人の顔は、もう笑ってはいなかった。



恨みの籠った、真っ白な顔で私を見つめる。




「どうして?私のことを忘れて、無かったことにしてあなただけ幸せに生きていこうとしてるの?」



違う



忘れなんかしない



ずっと、ずっと、これからも私にとってあなたは大好きで大切で心の支えになってくれた人。



あなたを忘れるなんてこと、私だけ幸せになるなんて、そんなの絶対ない



そう言いたいのに、喉が締め付けられてうまく言葉にならなかった。



ちゃんと、伝えたいのに



涙だけが頬を伝っていく。
< 94 / 95 >

この作品をシェア

pagetop