冬の王子様の想い人
「それをなんで説明しないといけない? ナナの代わりは誰もいない。大事なナナを傷つけるような最低な奴らとは口もききたくないし関わりたくない」
ぶるりと震えるくらいに凄味のある低音で言い放ち、絶対零度の鋭い視線を向ける。
先輩たちは瞬時に真っ青な顔色になり、涙目になっていたけれど雪華は容赦しない。
「直接的でも間接的でもナナを傷つけたら、必ずその何倍もお返しをするから」
ニッコリと優雅に口元を綻ばせた王子様に周囲の誰もが息を呑んだ。
「で、でもこの子は氷室くんの条件に当てはまっていないわ! それなのにどうして大事にするの? 話が違うじゃない!」
ベリーショートヘアの先輩が、すっかり震えあがり言葉を失っている長い髪の女子生徒の肩を抱きながら叫ぶ。
「……それこそ先輩たちに関係ないだろ? 誰と一緒にいようが俺の自由だ。俺にはナナが必要で、なにより大切だ。俺がナナを選んだからって文句を言われる筋合いはない」
不機嫌さを露わにした言い方に先輩が押し黙る。
至近距離から見た厳しい表情と言葉に私もヒュッと息を呑んだ。心がみっともないくらい揺さぶられる。
ドキンドキンドキン。
鼓動が一気に暴れだす。
私が必要? 大切?
選んだってどういう意味?
補佐としてだよね?
自惚れないよう必死で言い聞かせるけれど、鼓動は暴走し続けている。
落ち着いて、勘違いしちゃダメ。
それよりも雪華を止めなきゃ。
私のために怒ってくれるのは嬉しいけど、立場を悪くしたくはない。
ぶるりと震えるくらいに凄味のある低音で言い放ち、絶対零度の鋭い視線を向ける。
先輩たちは瞬時に真っ青な顔色になり、涙目になっていたけれど雪華は容赦しない。
「直接的でも間接的でもナナを傷つけたら、必ずその何倍もお返しをするから」
ニッコリと優雅に口元を綻ばせた王子様に周囲の誰もが息を呑んだ。
「で、でもこの子は氷室くんの条件に当てはまっていないわ! それなのにどうして大事にするの? 話が違うじゃない!」
ベリーショートヘアの先輩が、すっかり震えあがり言葉を失っている長い髪の女子生徒の肩を抱きながら叫ぶ。
「……それこそ先輩たちに関係ないだろ? 誰と一緒にいようが俺の自由だ。俺にはナナが必要で、なにより大切だ。俺がナナを選んだからって文句を言われる筋合いはない」
不機嫌さを露わにした言い方に先輩が押し黙る。
至近距離から見た厳しい表情と言葉に私もヒュッと息を呑んだ。心がみっともないくらい揺さぶられる。
ドキンドキンドキン。
鼓動が一気に暴れだす。
私が必要? 大切?
選んだってどういう意味?
補佐としてだよね?
自惚れないよう必死で言い聞かせるけれど、鼓動は暴走し続けている。
落ち着いて、勘違いしちゃダメ。
それよりも雪華を止めなきゃ。
私のために怒ってくれるのは嬉しいけど、立場を悪くしたくはない。