ノワールとブロンシェール

「かあさま、ふたりはどうなったの？」
幼い女の子は優しげに笑う女の人にききます

「漆黒の羽根を持つ男は純白の翼を持つ女との約束を守り、天族と魔族は決まりを作ったの
そのおかげで、今はとーっても平和になったのよ」
幼いわが子の頭を撫で、優しげに笑う母親

ただいまーと2人の部屋を開け、大きな男が入ってくる

幼い女の子は母親と一緒に座っていたソファからパッと立ち上がり大きな男に抱きつく

「おかえりなさい、ととさま！」

「ああ、ただいま。シェル、いい子にしてたか？」

目尻を下げながら、幼い女の子、シェルに問う

「うん！かあさまの物語きいてたんだよ！」

「そうかそうか、ニーナは話が上手だからな」

「まあ、そう言ってもらえると嬉しいわ、カルロ。ところでその腕を見せてもらいましょうか？」

「ちょっと擦りむいただけさ、大したことはないから！」

「あら、私は心配してるだけだわ
いつも怪我をしてもご自分で治す貴方に怪我があるだなんて、
回復に特化した天族さんのために、少し魔力を分けましょうか？」

「いやいや、そろそろ夕飯の時間だろ？魔力の共有はその後でもよくないかな、魔族さん？」

こそり、夫であるカルロの耳元で囁かれた言葉

「ティー、ごめんなさいね、少しカルロとお部屋でお話ししてくるから待っててね」

「わかったー！ごほんをよんでるね！」


そして、ティーの両親は寝室に向かった

しばらく経つと、2人は戻ってきた
腕の怪我を治したカルロとにこやかに笑うニーナ
そんな両親を見て笑うシェル

幸せな家族の姿


ココは始まりの街

天族と魔族、2つの種族が手を取り合い協力し合う
漆黒の羽根を持つ男の努力の街