鬼課長の魔法の義足。(11/24修正完結済み)

仕事を早く終わらせると私は、
スポーツクラブに向かった。ここなら
誰も邪魔されずに課長と話が出来るだろうと思っていた。

「えっ?あんた……随分とタイミングが
悪いわねぇ~二度もやるなんて」

「……そうなの。謝るタイミング逃しちゃって」

廊下で綾音に会ったので今日のことを
相談に乗ってもらった。
綾音は、事情を聞いて呆れていた。
だって……謝りたくてもタイミングが掴めなくて

「早めに謝っておきなよ?
誤解をされたままが嫌なら」

「う、うん。」

それは、分かっている。ただタイミングが……。
ハァッとため息を吐きながら着替え終わると
陸上用のトラックに向かった。
まだ課長は、来ていないようだった。
居ない……。キョロキョロと捜していると

「日向さんを捜しているのですか?」

えっ……?
後ろから誰かに声をかけられたので
振り返ると夏美さんだった。

「二階堂さんって、もしかして
日向さん狙いなんですか?
だから、ここの会員になられたのですか?」

夏美さんが突然そんなことを質問してきた。
課長狙いって……えぇっ!?

夏美さんの言葉にかなり動揺する。
だって彼女までそんなことを言ってくるから
私は、そんなつもりないのに……。

「いや、あの……。
そんなつもりで入会した訳ではありませんから。
私は、たた走りたくて……」

そう言おうとしたが、きっかけになった
動機が似ていることに気づいた。
私は、課長の走りを見てこのスポーツクラブに入った。
同じように走りたくなって……。

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