再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~
「まぁ、その時は仕方ないよな。でも、こうして会えた俺はラッキーだな」
「ラッキーって……」
フッ、と笑みを浮かべるテツに呆れてしまう。
そこまでして私と話す必要があるんだろうか。
私は関わりたくないんだけど。
「話って何?」
さっさと話を聞いて終わらせたかったのに、テツの口から出た言葉は私の求めていた答えではなかった。
「もう飯食った?」
「は?お店の物を軽く食べたけど」
余った惣菜を片付けがてら食べたりしている。
他のパートの人とかは、タッパーに詰めて持ち帰る人もいる。
って、今はそんなことはどうでもいい。
「だから、話って……」
「俺、晩飯まだ食ってないから付き合って。もう腹減って倒れそうなんだ」
話を遮られ訳の分からないことを言う。
どうして私がテツのご飯に付き合わないといけないのよ。
「そんなの知らないよ」
「まぁ、いいから。奢るから付き合って」
「ちょっと!」
いきなり私の腕を掴み、有無を言わせずテツの車に乗せられた。
車内は私好みの芳香剤の匂いがし、BGMは洋楽だ。
私は運転免許は持っているけど、自分の車は持ってない。
イケメンだし、仕事が出来そうだし明らかにスペックが高そうなテツに何かムカつく。
しかも、強引な態度にイライラは最高潮だ。
文句のひとつでも言いたかったけど、こんな密室で険悪な雰囲気になるのも嫌だし。
運転しているテツをジロッと睨みつつ、これも今日限りだから我慢だと何度も自分に言い聞かせた。