惑星のダンス
「ユノさんと親しかったりする?」

「え、ユノ?」

なんの話だ、と一瞬記憶を探るように斜め上を見て、「ああ」と瞬いた。

「いや、特に親しくないけど。普通なんじゃね?」

「……そう」

「なんかあった?」

「ううん、なにも」

あの日のことは誰にも言う気はない。

ただなにかが胸に引っかかっていただけ。

それも今溶けた。

愛は微笑んだ。花開くように、匂い立つように。

「綺麗だね」

「っ」

天の動きが一瞬止まって、ついで頬に血が上ったように見えたのは気のせいか。
< 62 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop