惑星のダンス
眉をひそめて覗き込むのは大地だ。同い年。義理人情に厚いいいやつ。

「……いや、すまん、悪い。ちょっと個人練してもいいか?」

「いいけど。体調悪いなら無理するなよ?」

体調というなら朝のあれだ。精神的な衝撃もさながら、あのとき、床に激突した。今でも結構痛い。

一面が鏡張りになっているレッスン室の隅に移動する。

美術室には朝、人が来ない。それで気に入っていた。思いきり机の上で寝転んでいたら扉が開いてびっくりだ。起き上がろうとしたら落ちた。伊達眼鏡も外していて、顔を見られたらまずいと思った矢先の。

……いかん、また間違えた。

小さく唸る。ここで右手を伸ばし、すぐに引く……。

「天、天」

「ん」

踊るのをやめた。足がどうなっているのかわからないほどこんがらがっていたので、ちょうどよかった。
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