Breath
そしたら11時過ぎてから

「何送ってたの?」

ってやっとLINEが来た。

「ごめん、特に何もないよ。おやすみ」

「え、あ。うん。おやすみ 電話しないの?」

「今まで何してたの?撮影?打ち合わせ?まぁ何でもいいけど…」

「レッスンだよ。何でそんな感じなの?」

「何がぁ?」

「怒ってる?」

「普通ですよ」

「ならいいけど」

「は-い は-い」

「何?何が言いたいの?」

「何?レッスンお疲れ様です」

「もういいよ。ありがとう。今日電話しないの?」

「気が向いたらかけてきてなぁ、しんどかったらいいよぉ 疲れてるだろうし」

「電話したいからしよ」

「あ-分かった」

「え、嫌?」

「嫌じゃないよ、しよしよ。今日一日結翔が何してたかず-っと謎だった」

「ずっとレッスンしてた」

「うん、だから聞いたの」

「うん、ごめんね」

「LINE返せなかったのは仕方ないから怒ってないよ」

「ならいいんだけどさ、つまんないやつでごめんね」

「つまんなくないで、こっちこそごめんね」

「大丈夫だよ」

「自分の事つまんないやつだと思ってるの?」

「うん、すごくね、何もしてあげれてないし」

「何してくれるの?逆に、いいよ何もしなくて、何かをして欲しくて付き合ってるんじゃないから、何も希望はないよ」

「何もしなさ過ぎるのは嫌だ」

「いいよ、全然。それが結翔だから、何かをすると疲れるし、何かをすると何かを犠牲にしないといけなくなるし、何かをする度に考えないといけないし、無理して欲しくないし、自分の事つまらないやつとか思わないでね」

「本当にごめん」

その日はレッスン疲れてるだろうから電話しなかった。
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