【短】君と、もう少し
「ねぇ、遥から、して…?」
「……そんな顔…ずるい。ばか…」
「うん。それでも…遥からのキスが欲しい」
私は意を決して、孝介先輩の頬に顔を寄せる。
すると、ぐいっと抱き締める手に力を込められて、かしゃん、とフェンスがしなった。
「頬なんかじゃ、だめ。ココに、して?」
「も、もう!こ…うすけの、ばか…」
「ん…それでも、いいから…」
絡み合う視線。
絡み合う手と手。
合わさる胸。
重なる心。
段々と近付く距離。
けれど、届かない最後の1センチ。
私は爪先立って、シャツを引張って…それから、キスをした。