【短】君と、もう少し

「遥!今、彼とすれ違ったけどっ…て、アイツ!また遥のこと泣かしたのか!?」

「ち、ちが…」

「じゃあ…なんで…?なんで泣いてるの?遥…?」

「……好き」

「え…」

「孝介先輩が好き」



ぽろぽろと、涙が次々と溢れていく。
そんな私と、あたふたしてる孝介先輩を見ていたはずの、舞と学先輩はいつの間にか屋上から姿を消していた。


「なんで、泣くの?」

「好き、だから…」

「じゃあ…笑って?じゃないと俺、駄目になる」

「好き過ぎて、無理…」

「…仕方がないなぁ…じゃあさ…」



そう言って孝介先輩は私を抱き締めたまま、フェンスに縫い付ける。
その、少しだけ軋む痛みさえも、今の私にとっては甘い時間になっている。
孝介先輩は、熱のこもった瞳で私を見つめると、その高い身長をほんの少しだけかがめてから、妖しく微笑む。

そして…ねだった。

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