願い婚~幸せであるように~
「さてと、ホテル行こうか。寒いからタクシー呼ぶね」

「うん、そうだね」


駅が近くにあるから電車で行くのでもいいのに、幸樹さんはなにかとタクシーをすぐに呼ぶ。もう習慣になっているんだろうなとタクシー会社に電話する彼を見て、苦笑した。

今夜はホテルに宿泊して、明日の朝はホテルから出勤する予定だ。着替えなどの荷物は先に送ってある。

ホテルに到着すると、早々と荷物は部屋に届けられていた。


「幸樹さん、部屋が立派過ぎ……」

「ああ。さすがクリスマスシーズンだからさ、ここしか空いてなかったんだよ。でも、広いとのびのびできるし、いいね。ほら、眺めもいいよ」

「わあ、本当!」


ホテルの予約は幸樹さんにお任せした。確かにクリスマスシーズンの予約は取りにくい。計画したのが、三週間前だったからスイートルームでも空いていたのが奇跡だ。

彼に手を引かれて、窓に行く。そこから見える景色は、私たちの暮らすマンションから見える景色とまた違ってきれいだった。夜になったら、夜景がきれいだろうな。

スイートルームに泊まるのが初めての私は、落ち着きなく、部屋のあちこちを見て回った。
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