ママの手料理
「おい、俺はもう8階に行く。お前らはどこで何してんだ」


無線機に向かって尋ねてみるものの、パソコンの画面でピコピコと点滅するGPSの光から彼らが全員どこにいるかは分かっていた。


『来るなら早く来いよクソハッカー!俺らも8階だ、ここには幹部しかいねぇんだよ!琥珀の右腕がなんちゃらであいつが1番やばそうだからよ、そこで呑気にパソコン弄る暇あんなら早く援護に来いよ!』


『黙れ二重人格!左手だけでも十分闘えるって言ってんだろうが!』


壱と琥珀の大声の直後、バババババンッ……、という世にも恐ろしい音がイヤホンから流れ込んできて。


そのあまりの騒音ぶりに銀河は思わず顔を顰めたものの、


『確かにこの方達はとても強そうですが……、銃撃戦では僕の方が上ですね。ゲームで磨いた腕を舐めない方が良いですよ散ってくださいはいお疲れ様でした』


という、恐らく銃を連射したであろう航海の楽しそうな声は聞き逃さなかった。


「早くしないとムラサキが危なそうだ。ここからは台本通り行け」


(1人誘拐されてこれ程までに緊迫した闘いでも、こんなに余裕なのか…)


改めて、覚醒した航海の恐ろしさに気づいた銀河はふっと笑みを零し。


軽く息を吐くと、勢い良く車のスライドドアを開けた。




闘いの終わりは、すぐそこまで迫っていた。
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