キミに、愛と思いやりを

「あの、その……。歩、ごめんなさい!」



あたしが頭を下げると、はふ、と息を吐いたのが聞こえた。



「……先に、言われちゃったな」



「え?」



あたしが顔をあげると、バツの悪そうな顔をした歩。



「花蓮。ごめん、本当にごめん!」



そう言って歩は、頭を深々と下げた。



「歩、なんで? なんで歩が?」



「宇野から聞いた、手紙も読んだ。花蓮、本当に僕が悪かった!」



そうか、あの手紙……。
ちゃんと読んでくれたんだ。


麗羅、宇野くん、ありがとう。



「歩……」



「ごめん、ごめんな……?」



「悪いのは……あたしだよ。あたしが、あんな紛らわしいことしたんだから。あたしが、ちゃんと言っておけば……」



そう、あんな紛らわしいことをすれば歩からすれば相当ショックを受けるに決まっている。


1人で頑張りすぎるのも、良くないんだね。



「宇野を2人で助けるか」



そうか。もう、宇野くんの家庭事情までわかるんだね。


心強い人と一緒にいられて、よかった。



「……うん!」



あたしは、歩の言葉に強く頷いた。




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