キミに、愛と思いやりを

「お待たせしました。シロフクロウバニラパフェ2つです」



しばらく経って、パフェが2つ、あたしと歩のところへウェイトレスさんが運んできてくれた。


パフェのバニラアイスがふくろうの顔になっていて、花の形をした砂糖菓子もあって可愛い。


バニラアイス、さっきあたしの腕に乗せたふくろうと顔がかなり似ている。



「美味しい!」



バニラアイスが、びっくりするほど牛乳の味がして濃厚だった。


……なんだか食べるのがもったいないんだけど。



「おにいちゃん、ひとくちちょうだい!」



「はい」



あたし達とは結構近い席で、小さい兄妹が両親と一緒に食事をしていた。



「花蓮、アイスついてるよ」



「えっ……?」



アイスがどこについてるのかも教えず、歩はあたしの口元をティッシュで拭いた。



「よし、取れた」



「あはは……。ありがとう……」



あたしは、ぎこちなく笑った。


これじゃあ、あたし達、あの子達みたいな兄妹にも見えちゃうよね。


……なんて思っていたら、あたしは歩の口元にもアイスがついているのに気がついた。



「あっ……歩もついてる」



そう言って、今度はあたしはティッシュで歩の口元を拭いた。



「あっ……。ありがと、花蓮」



これで、なんとなく兄妹とは見られていないかな……。
なんて思いながら、あたしはパフェを食べ続けた。




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