アンバランスな苦悩
「瑛ちゃん?」

スミレが廊下に立っていた
すごく寂しそうで

今にも
泣き出しそうな顔をしていた

「お姉ちゃんから
話を聞いて

でも
私は…」

「昨日、スミレと
エッチしとけば
良かったな~

ごめん
俺、ひどいヤツだから

スミレを
愛せない」

嘘だ
スミレしか
愛せない

スミレじゃないと
俺は嫌だ

俺は
スミレの横を通り過ぎた

「瑛ちゃん
今日も窓のカギ
開けておくから」

スミレが小さな声でつぶやいた
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