アンバランスな苦悩

病院

「瑛汰、刺されたって
大丈夫?」

お袋が病室に駆け込んできた

治療が終わり
ベッドの上に横になっていた
俺は起き上がった

「お……お母さん?」

お袋の後ろから
光汰とマコ
スミレが続けて入ってきた

スミレが桜さんの顔を見て険しくなった

マコは
ある程度の予想をしていたのだろう

とくに動揺する気配は
なかったが

光汰の後ろから
俺の顔を睨みつけていた

「んな大人数で来て
俺、帰りの運転できないんだけど?」

「入院じゃ…
ないの?」

大荷物を手に来た母親が
不思議そうな声をあげた

「通院すれば
平気だよ
これくらい」

「だって刺されたんだよね?」

光汰が眉をひそめた

「刺されたけど
内臓を傷つけているわけじゃないし

縫ってあるから
消毒をさえ
きちんとすれば

平気だよ」

ほっと息をついた母親が

今度は
桜さんのほうを見た

窓側に立っていた桜さんは
俺のお袋に
頭を下げた
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