アンバランスな苦悩

調査報告書

『話がある
家に来なさい』

突然、マコからメールがあった

次の日が休みの日でも
必ず
家に帰る俺を知っているのだろう

呼び出された

俺は黒のジャージ姿のまま
玄関から
マコの家に訪ねた

ベランダは
マコによって
すっかり封鎖されてしまった

段ボールで簡単であるけれども
壁を作られてしまったのだ

俺が呼び鈴を押すと
マコもスウェット姿で
出迎えた

居間のソファに座る

飲み物も茶菓子も
用意されていない

もちろん
これから用意する気も
マコにはないようだ

「これ、何?」

俺の前に茶封筒が二つ
投げられた

膝の上に
飛んできた茶封筒は

保健室の机にしまってある
書類だった

桜さんから
奪った探偵の捜査報告書

鍵のついている引出しに
しまってあったのに

どうしてマコの
手元にあった

俺はマコを見上げた

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