魔法の使い方

　その頃、ヴィオルドは最近王都で妙な動きをしている集団について調べていた。しかしなかなか尻尾を掴めず、煙を捕らえている気分になる。

　彼は同行している新人に声をかけた。

「今回の奴らは何かヤバい気がする。お前はどう思う？」
「どうって言われましても、俺はこういうの初めてなんで、何とも……」

　新人であるドルークは、警備隊になってから日が浅い。単独の小競り合いや泥棒などの事件を収めたことはあるが、集団の相手は初めてである。

　彼はヴィオルドより歳上だが、自分より実力のあるヴィオルドを尊敬し、先輩として敬っている。また、王都警備隊の多くがそうである。

　ヴィオルドとドルークは目に写る街の隅から隅までに目を光らせながら、真剣な面持ちで歩いていた。