へたれライオン 卒業します

名無しのラブレターを書いた、この俺は

高杉尊(みこと)  高2



ゆるくウェーブのかかった俺が
ライオンに見えるらしく

恋に臆病な俺のことを
奏多は『へたれライオン』と呼ぶ




俺の顔は
女子たちのどストライクゾーンらしく


俺とイケメン奏多の回りを

いつも女子たちが
キャーキャー取り囲んでくる



まぁ
もめ事を起こしたくないし

群がる女子に笑顔を振りまき
話を会わせているけど



俺は女子なんて信用しないし

彼女なんて絶対作らないと
ずっと思ってきた




「尊くんって、本当にイケメン」


「尊くんが怒るなんて ありえない
王子さまが台無しだよ」



何度、女子たちに言われただろう……




どうせ女なんて

俺のことをブランドバックと
同じとしか見ていない



俺を彼氏にして
回りの友達に羨ましがられたいだけ



学校で人気のイケメンと
私は付き合えちゃうのよと自慢したいだけ



そんな女子たちに
俺はうんざりしている




絶対、彼女は作らない!

女なんて信用しない!


頑なに思っていたのに……



1年前
俺のハートを簡単に射ぬいた女がいる



それが
春名花純(はるな かすみ)だ





1年間の片想いの末

ものすごい勇気をふりしぼって
ラブレターを書いたのに

まさか自分の名前を書き忘れるなんて!!




やっぱり俺は
へたれライオンだ……


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