へたれライオン 卒業します

(花純side)


「こ、この可愛い箱は……
 な、な、なに??」



学校に来てみると

私の机の中に
ウサギ柄のピンクの箱が入っていた



「誰かが間違えて
私の机に入れちゃったのかな?」



添えられたメッセージカードを
見てみると……



『春名さん
 1年の時からずっと好きです

 今日の放課後
 理科室に来てください

 クッキー焼いたので
 良かったら食べてください』




え?え?え?

私にラブレター???




そんなはずない!

これは夢だ!


いや、イタズラに違いない!



私が誰かに好きになってもらえるなんて
絶対にありえないことだから!!




私の名前は春名 花純(はるな かすみ)

高校2年生



顔は可愛くない

足も腕も細くない

コンプレックスの固まり




中3の時に親が離婚

でも、
どちらも私を引き取りたくなくて

私は一人暮らしをしている




「このモデルさん 可愛いよね」


「咲姫の方が絶対に可愛いよ

 モデルしないかって
 街で声かけられたんでしょ?」




クラスの美女集団の会話が、
耳には入るたび


『私はあの子達と住む世界がちがうんだ』


そう、思い知らされる




親にさえ捨てられた私が
誰かに好きになってもらえるはずないし

ラブレターなんてイタズラだろうな



そう思いながら箱をあけると
ウサギの形をした、クッキーが入っていた




「かわいい///」



アイシングで
ウインクや笑っているウサギの顔が
描いてある



『このクッキー
 私のために作ってくれたのかな?』



私のことを好きになってくれた人が
本当にいるのかな?



……って
そんなはずない!!



イタズラや罰ゲームで
机に入れたに決まっている!!




でも……


こんな可愛いクッキーを作る人が
騙したりするのかな?


そう思ってしまい

私は放課後、理科室に行くことにした



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