へたれライオン 卒業します
(花純side)
高杉くんが
私に話したいこと?
高杉くんに腕をつかまれ
また私は階段下にしゃがみこんだ
「1年前のこと
ずっと春名に謝りたかった」
「え?」
「公民館で会った次の日の学校で
俺が女子たちと話してたこと
春名、聞いてただろ?」
あの日の出来事は
忘れたくても忘れられず
ずっと付きまとってきた記憶だ
高杉くんが
『私に興味がない』という現実を
突きつけられた瞬間だったから
「俺さ奏多から
『春名の名前を女の前で出すな
嫉妬されて春名がいじめられる』
って言われたんだ」
「・・・」
「春名と付き合ってる?って聞かれたとき
俺とは何の関係もないって言わないと
春名が危ないかもって思って
とっさに嘘ついた
まさか
春名に聞かれてるとは思わなくてさ」
高杉くん
そんな風に思ってくれてたんだ
「俺
女に言い寄られること多いけど
あれって俺のこと
本気で好きとかじゃなくて
ただ、俺と付き合って
友達に自慢したいだけなんだよ」
「そんなこと
ないと思うけど・・・」
「マジでそうだって
俺はブランドバックと同じなわけ
で、キレたり情けない態度とったりすると
『王子キャラの尊くんが台無し』とか
言うんだぜ
春名と出会った頃は
女のことを全く信用してなかった
まぁ、今もだけど」
尊くんって
クラスの女子と楽しそうに話してるけど
本当は楽しくなんかないのかな?
「そんな時に
ここで春名に出会った
変わった奴だなって正直思ったよ
小学生と遊んでるし
親みたいに宿題させて
子供に掃除までさせてるし
でも
子供たち一人一人のこと
ちゃんと見てあげてるなって
なんか尊敬した」
「・・・」
「1年前
お前のことひどく言って悪かったな」
「ううん。私こそ。
高杉くんに嫌われてるって勝手に思い込んで
ずっと避けてきてごめんなさい」
「春名・・・
そのお詫びに・・・
来週の金曜の放課後
俺とケーキ屋さんに行ってください・・・ 」
「え?」
「歩に聞いた
春名、来週の金曜日は誕生日だろ?
あ!!先約あった?」
「放課後はここで
子供たちと七夕会をするの」
「歩が言ってた七夕会って
来週の金曜日だったのか
じゃあ、それが終わってからは?」
「そのあとなら大丈夫だけど・・・
本当にいいの?」
「もちろん
お詫びしないと俺の気がおさまらないし
それに・・・」
「それに?」
「春名ともっとしゃべりたい」
真剣な眼差しで見つめられ
高杉くんの大人っぽい表情に
ドキッドキッと心臓が跳ねた
私はやっぱり
高杉くんのことが好きだって
実感してしまった
「花純ちゃん、尊くん、みっけ!」
鬼に見つかった!
そつだ、今はかくれんぼ中だった!
「よっしゃ~
今度は俺が鬼な!みんな覚悟しろよ~」
さっきの真剣な表情から一変
子供っぽい笑顔を見せた高杉くんは
この狭い階段下から飛び出ていった
私なんか可愛くないし
高杉くんは私のことなんて
これっぽっちも興味がないと思っていた
高杉くんの回りには
明るくてキレイな女の子だらけで
あの子達と自分を比較して
「私ももっとかわいかったら
高杉くんは話しかけてくれるのかな?」と
卑屈になっていた
まさか
一年前のあの教室で
高杉くんが私を守ろうとしてくれていたなんて
私、バカだ!
可愛くないって言い訳ばっかりして
人に好かれる努力を何もしていない!
かわいくなりたい!
高杉くんにカワイイって言ってもらえる
女性になりたい!
ずっとまとっていた
コンプレックスの鎧を
脱ぎ捨てる覚悟を決めた!
高杉くんが
私に話したいこと?
高杉くんに腕をつかまれ
また私は階段下にしゃがみこんだ
「1年前のこと
ずっと春名に謝りたかった」
「え?」
「公民館で会った次の日の学校で
俺が女子たちと話してたこと
春名、聞いてただろ?」
あの日の出来事は
忘れたくても忘れられず
ずっと付きまとってきた記憶だ
高杉くんが
『私に興味がない』という現実を
突きつけられた瞬間だったから
「俺さ奏多から
『春名の名前を女の前で出すな
嫉妬されて春名がいじめられる』
って言われたんだ」
「・・・」
「春名と付き合ってる?って聞かれたとき
俺とは何の関係もないって言わないと
春名が危ないかもって思って
とっさに嘘ついた
まさか
春名に聞かれてるとは思わなくてさ」
高杉くん
そんな風に思ってくれてたんだ
「俺
女に言い寄られること多いけど
あれって俺のこと
本気で好きとかじゃなくて
ただ、俺と付き合って
友達に自慢したいだけなんだよ」
「そんなこと
ないと思うけど・・・」
「マジでそうだって
俺はブランドバックと同じなわけ
で、キレたり情けない態度とったりすると
『王子キャラの尊くんが台無し』とか
言うんだぜ
春名と出会った頃は
女のことを全く信用してなかった
まぁ、今もだけど」
尊くんって
クラスの女子と楽しそうに話してるけど
本当は楽しくなんかないのかな?
「そんな時に
ここで春名に出会った
変わった奴だなって正直思ったよ
小学生と遊んでるし
親みたいに宿題させて
子供に掃除までさせてるし
でも
子供たち一人一人のこと
ちゃんと見てあげてるなって
なんか尊敬した」
「・・・」
「1年前
お前のことひどく言って悪かったな」
「ううん。私こそ。
高杉くんに嫌われてるって勝手に思い込んで
ずっと避けてきてごめんなさい」
「春名・・・
そのお詫びに・・・
来週の金曜の放課後
俺とケーキ屋さんに行ってください・・・ 」
「え?」
「歩に聞いた
春名、来週の金曜日は誕生日だろ?
あ!!先約あった?」
「放課後はここで
子供たちと七夕会をするの」
「歩が言ってた七夕会って
来週の金曜日だったのか
じゃあ、それが終わってからは?」
「そのあとなら大丈夫だけど・・・
本当にいいの?」
「もちろん
お詫びしないと俺の気がおさまらないし
それに・・・」
「それに?」
「春名ともっとしゃべりたい」
真剣な眼差しで見つめられ
高杉くんの大人っぽい表情に
ドキッドキッと心臓が跳ねた
私はやっぱり
高杉くんのことが好きだって
実感してしまった
「花純ちゃん、尊くん、みっけ!」
鬼に見つかった!
そつだ、今はかくれんぼ中だった!
「よっしゃ~
今度は俺が鬼な!みんな覚悟しろよ~」
さっきの真剣な表情から一変
子供っぽい笑顔を見せた高杉くんは
この狭い階段下から飛び出ていった
私なんか可愛くないし
高杉くんは私のことなんて
これっぽっちも興味がないと思っていた
高杉くんの回りには
明るくてキレイな女の子だらけで
あの子達と自分を比較して
「私ももっとかわいかったら
高杉くんは話しかけてくれるのかな?」と
卑屈になっていた
まさか
一年前のあの教室で
高杉くんが私を守ろうとしてくれていたなんて
私、バカだ!
可愛くないって言い訳ばっかりして
人に好かれる努力を何もしていない!
かわいくなりたい!
高杉くんにカワイイって言ってもらえる
女性になりたい!
ずっとまとっていた
コンプレックスの鎧を
脱ぎ捨てる覚悟を決めた!