香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
男は袋を受け取り、中身を確認する。すると、金貨が五枚入っていた。
それを見てニヤリとする男。
その目を見てゾクッとした。
なんだか急に心配になってきた。
私……ちゃんと無事にパルクレールを出られるよ……ね?
「それじゃあ、こっち来い」
男が私の手を掴み、馬車の客車から下ろそうとする。
「エマ王女、本当に大丈夫なんですか?」
「もちろんよ。国境には見張りもいるし、豪華な馬車だと一発であなたが逃げたってバレるでしょう?でも、荷馬車だと怪しまれずに国を出れるわ」
ニコッと笑う彼女の顔が不気味に思えたのは気のせいだろうか?
だけど、彼女の説明には納得出来る。
なにか引っかかったが、「ありがとうございました」とエマ王女に頭を下げた。
それから男に手を引かれて荷馬車の荷台に荷物のようにぞんざいに乗せられ、上から布をかけられる。
「あの……どこに行くんですか?」
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