香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
やっぱりどの世界にもこういう場所はあるのね。
ここも通り抜けていくのかと思ったら、馬車は赤い建物の前で止まった。
派手な店構え。
中から娼婦らしき女の人達が男を手招きしている。
……ここは娼館だ。
「お酒を届けるのかな?」
周囲を見回していたら、御者席から男がやって来て、私にかけられていた布をガバッとはいで私の手を掴んで荷台から引きずり下ろす。
「下りろ!」
荷物のように乱暴に扱われて荷台にぶつかり足を擦りむいた。
「痛い!」
足を押さえようとしたが、そのまま手を引かれて娼館に連れていかれる。
頭が混乱してきた。
普通の宿じゃなくて娼館?
なんで?
この宿の主人らしき四十代くらい貫禄がある女性が出てきて私の手を掴んでいる男と話をする。
「その子、上玉じゃないか。金貨三枚でどうだい?」
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