香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
「いえ、本当に私は怪しい者ではないです。えーとネロ、離してくれると嬉しいな」
黒豹のご機嫌を取ろうとするも、離してくれない。
「ネロはひとりで行くなって言ってる。最近、女の子がさらわれて隣国の娼館に売られている。君も危険だ。そっちの方向だと王都に行きたいのだろう?送っていく」
アレンという金髪の男性は私に近づき腕を掴んだ。
娼館に売られるとは物騒な。
「そんな。いいです。ご迷惑をおかけする訳には」
ブンブン首を横に振って断るが、彼は少し厳しい口調で言って歩き出す。
「ここで別れてさらわれる方が迷惑だ」
「ちょっと、待って!」
ズキンと右足に痛みが走り思わず立ち止まると、アレンも足を止め、私の顔を覗き込んだ。
「どこか怪我をしているのか?」
「……さっき足を捻ったみたいで。だから、ひとりで行きます。私と一緒だと時間がかかりま……って、ええ?」
黒豹のご機嫌を取ろうとするも、離してくれない。
「ネロはひとりで行くなって言ってる。最近、女の子がさらわれて隣国の娼館に売られている。君も危険だ。そっちの方向だと王都に行きたいのだろう?送っていく」
アレンという金髪の男性は私に近づき腕を掴んだ。
娼館に売られるとは物騒な。
「そんな。いいです。ご迷惑をおかけする訳には」
ブンブン首を横に振って断るが、彼は少し厳しい口調で言って歩き出す。
「ここで別れてさらわれる方が迷惑だ」
「ちょっと、待って!」
ズキンと右足に痛みが走り思わず立ち止まると、アレンも足を止め、私の顔を覗き込んだ。
「どこか怪我をしているのか?」
「……さっき足を捻ったみたいで。だから、ひとりで行きます。私と一緒だと時間がかかりま……って、ええ?」