香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
優しく笑いながら懐から塗り薬の入った瓶を出して、手当てをする彼。
女達に絶大な人気があるのか、ルーカスの姿を見て元気になる者もたくさんいた。
これでひとまず事態はおさまったように見えたが、パッカパッカと馬の蹄の音がして、どこかの騎士団が現れた。
数は二百くらいだろうか。
皆銀色の甲冑を身につけているが、先頭にいる騎士だけは黄金の甲冑に身を包み、馬上から私達に声をかける。
「これは、一体何事か?なぜパルクレールの騎士団がここにいる?」
その低くしゃがれた声に背筋が寒くなった。
年は四十歳くらい。
強面でアメフト選手のようながっしりした身体つき。
なんだか……閻魔大王みたい。
彼らの登場でこの場がシーンと静まり返る。
「パルクレールの騎士が火を放ったのか?」
そう言って表情を険しくする黄金の甲冑の男の前にスッとアレンが立った。
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