香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか？

「わかった。ルーカスに任せる」
アレンが剣を収めると、ジーク国王は青ざめながら弟に目を向けた。
「ルーカス？」
「兄上にはもう付き合ってられない。パルクレールを本気で怒らせたら、ハーネスは三日で征服されるだろう。あんたには玉座から下りてもらう。キース、兄上をダムニー砂漠の牢獄に幽閉しろ！」
ルーカスは急に表情を変え、娼館で一緒だった部下に命じた。
その姿は凛々しく冷徹で、さっきまでのチャラい王太子ではなかった。
ジーク国王は両手両足を拘束され、馬に乗せられると、どこかに連れて行かれた。
ルーカスに刃向かう騎士が誰もいないということは、あの国王の信頼は失墜していたのかもしれない。
これで一件落着ってところなのかな？
「いろいろと迷惑をかけて悪かったな。今後は友好国として親交を深めていきたいのだが」