香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
ついでにアレンも待っててほしいけど、面と向かっては言えないわ。
アレンが浴場の扉を開けると、やはりドキドキしてきた。
一回入ったから段取りはわかっている。
ドレスと下着を脱いで湯浴み着に着替えるのね。
ドレスを脱ごうとしたら、後ろのボタンが外れなくてもたついた。
「なにをひとりで暴れている?」
アレンが難なく私のボタンを外すが、急に黙り込むので不思議に思った。
「アレン?」
彼の名を呼べば、急に真剣な顔で「ドレスで見えなかったが、ここに痣がある」と私の肩に触れた。
「痛い!」
声を上げれば、彼は慎重に私のドレスを脱がす。
そこで手を止めるかと思えば、アレンが下着に手をかけて慌てた。
「ちょっ、アレン!」
その名を呼んで咎めるが、彼の手は止まらない。
「キャッ!」
< 190 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop