香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
自分でもどうして泣いているのかわからないようで……。
「香油無くしたくらいで……泣くなんて……子供みたい。あの……すみま……せん。すぐに涙……止めますから」
ベッドに腰を下ろし、オロオロする彼女の身体を抱き寄せた。
「涙を止める必要なんてない。思い切り泣け」
俺が優しく声をかけると、それで涙腺が崩壊したのか、彼女は声をあげて泣きじゃくった。
やがて俺の胸の中で落ち着くクルミに心から告げた。
「クルミが助かってよかった」
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