香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
2、王太子が迫ってきて困ります
「お母さん……今日のカレー美味しい」
母に向かって微笑んだら耳元で声がした。
「カレーって何?」
笑いを含んだ声に"おや?"と思う。
お父さんの声にしては若いし、そもそもそんなセクシーな声はしていない。
何かがおかしい。
誰の声?
そう疑問に感じた時、パッと目が覚めた。
目の前には超絶美形の王太子。
しかも、上半身裸だ。
「ぎゃ!?」
思わず叫ぼうとしたら、アレンに手で口を押さえられた。
「静かに。君が騒ぐと、隣の部屋にいる侍従が驚いてこの部屋に飛び込んで来る」
彼に優しい目でたしなめられるが、この状況を理解出来ずにいた。
どうして彼と一緒にベッドで寝ているの?
八十平米はありそうな大きくて豪華な部屋。
寝ているのは天蓋付きのベッドで、私が今、公爵家で使っているものの倍はありそうだ。
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