香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
しばらくすると、「いいですよ」とクルミの声がして目を開けた。
さっきの俺と同じように夜着を腰まではだけてベッドに横になっている。
クルミのやり方に従って手に香油を垂らし、彼女の背中に触れた。
すると、彼女はビクッと身体を震わせる。
かなり緊張しているな。
指を滑らせ、クルミの背中をマッサージしていく。
肌がツルツルしているせいか、面白いように指が滑る。
「痛くないか?」
クルミに聞くと彼女は感心したように答えた。
「ちょうどいいです。アレンはアロマセラピストになれますよ」
「アロマセラピスト?」
聞き慣れない言葉が出てきて聞き返すと、彼女は「あっ」と変な声をだした。
「なんでもないです。王太子以外にもマッサージ師になれますよ」
ぎこちない様子でハハッと笑う彼女。
ひょっとしたら、彼女のいた世界の言葉なのかもしれない。
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