足立古書堂 謎目録
本棚の隙間を縫って現れたのは、小学生くらいの子どもだった。

赤い半袖シャツの男児である。

彼は足立を見つけて、まっすぐ彼女の方に歩いてきた。

「あの……お願いがあって」

「なにかな」

少し尻込みした態度だが、足立を見る目はなにかに縋るようだった。

「の……呪いを解いてほしいんです!」

「呪い?」

思わず声を上げたのは高木で、足立はふうんと言って左目を閉じた。

唇を吊り上げて楽しそうに笑っていた。
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