この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
 ……なんていい子……!!

 やはりアーベルくんは天使だ。可愛すぎる。

 ちなみにデブ猫ローちゃんもアーベルくんの隣で丸くなってた。だけど、今はソファーに移動しているらしくて、こちらを一瞥してまた目を閉じる。

 お腹を上向けて寝てるんだけど、あの猫の野生どこ……?

 アーベルくんの薄い金髪を、起こさないように慎重な手つきで撫でるローデリヒさん。

 結構な頻度で眉間に皺を寄せてるし、愛想がないんだけど、アーベルくんを見る海色の目が優しくて、子供めちゃくちゃ可愛がってるんだな〜ってのが伝わってくる。
 発言は完全に親バカ丸出しなんだけどね。

 若いのにいい父親じゃん、なんて思ってる。甘やかしすぎそうな所が心配だけど。

 ふふっ、とローデリヒさんとそっくりのアーベルくんを見比べて、笑みが漏れる。
 そしたらアーベルくんの安心しきった寝顔を覗き込んで、微かに表情を緩ませたローデリヒさんとバッチリ目が合ってしまった。

 どう声を掛けたらいいか唐突に分からなくなる。しどろもどろになりながら何とか言葉を口から出した。


「お、お仕事お疲れ様です……」


 ――嫁か!
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