この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】

見えている世界は違っていた。(ティーナ過去)

 二人きりの世界だった。
 幼くとも、ティーナにはそう感じていた。

 疎外感はとてもあったけれど、大好きな二人が仲良くしているのを見るのは嬉しかった。何より、一番歳下のティーナの事を、二人共沢山可愛がってくれていたから。

 アルヴォネン王国で、まだ三人共幸せだった頃の話だ。

 ――アルヴォネン王国、首都ライネン。

 ティーナ・サネルマ・ペルトサーリにとっての世界は、とても狭かった。

 アルヴォネン王国の五つある公爵家の一つ、ペルトサーリ家の長女として生まれたティーナは、皆から沢山愛されていたお姫様だった。

 同じく五つある公爵家の一つ、マンテュサーリ家の長女アリサ、アルヴォネン王国第一王子ルーカスとは同世代。
 他の貴族にも同世代はいたけれど、王家と繋がりの深い公爵家の人間とほぼ一緒に行動していた。
 物心つく前には、もう既に一緒に遊んでいる仲であったからだ。

 首都ライネンの北に位置する、王城の周辺の上位貴族の屋敷が立ち並ぶ一角に住み。ほぼ毎日王城で二つ歳上のルーカスと、一つ歳上のアリサと会う日々。
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