この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
 私はどう見ても高級そうなのに成金趣味ではなく、シックに纏められている所がセンスあるなと現実逃避した。
 ものの価値があまりよく分かっていない一般人にとっては居心地の悪い空間でしかない。

 というか、図書室にもソファや椅子、テーブルが置かれているの至れり尽くせりって感じだわ。

 ローデリヒさん、王太子様っていってたもんね……。
 やっぱり王太子様が住むところって違うなあ……。

 室内を見渡したけれど、私の記憶にあるものは何もない。

 やっぱりそうだよね……、自分が読書しているイメージなんて湧かないもん。

 一番近くにあった本棚の手身近な本を抜き出してみる。
 焦げ茶色の革張りの分厚い本。辞書みたい。普通に重いし、素人目から見ても高そう。

 パラパラとページを開いて、固まった。
 書いてある内容がミミズがのたうち回ったかのような線だったからだ。


「え……?読めなさすぎるんですけど」
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