この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「アルヴォネンの王太子夫妻はまだ滞在しているが……、会うか?仲の良い友人なんだろう?」

「え、いいんですか?!」

「流石に本人の口から仲良しだと聞けば、会わせない理由など見つからない」


 その言葉に私のテンションは一気に上がった。
 やった!、と内心ガッツポーズを作る。
 なんだかんだもう二年以上も会っていなかった。あの夜会の時が二年と少しぶりの再会である。

 ……いや、ティーナは邸を襲撃したからその前なんだけど、どっちにしろ碌でもない再会なので仕切り直しはしたい。

 特に私には積もる話が沢山ある。
 アーベルが天使だとか、アーベルが可愛いだとか、アーベルがこの前母様と呼べたことだとか。

 あと二人目が出来たってことは……、ローデリヒ様の許可が下りたら話してみようかとも思う。
 ルーカスとティーナの結婚式の時はアーベルが産まれたばかりで行けなかったし、その時の話も詳しく聞きたい。

 そして、ローデリヒ様が実は結構親バカで、私に対して色々と気遣ってくれる優しい人だっていう話もしよう、と思ったところでハッと気付いた。

 ルーカスとティーナ、なんかすごくローデリヒ様に敵意向けてなかった?
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