この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】
「ローデリヒも奥さんいるし、イーヴォは昔から婚約者いるしで、完全フリーなオレが人気あるのも、と〜ぜんってワケ」

「私達より年上だろう。まだ決まらないのか?」

「一つしか変わんないじゃん。そうだなぁ、特にしたいと思えるような子と出会えねぇ」

「団長はまず出会いの場を不倫相手探しのパーティーから、結婚相手探しのパーティーに変えるといいと思います」


 エーレンフリートに冷静に突っ込んだイーヴォ。イーヴォの言葉にローデリヒは苦い顔になった。

 不倫相手探しのパーティーとかいうパーティーについてはとりあえず置いておく。いや、風紀的にとても良くさなそうな響きだが。
 それよりも未婚の親戚が不倫している事について頭を抱えたい。


「エーレンフリート、結婚が嫌なのか?」

「べっつにー……結婚が嫌ってワケじゃねぇけど……。つーか、オレ達の中で一番結婚について興味無さそうなローデリヒが、一番に結婚したのがびっくりだったんだけど?しかももう子供いるし早すぎじゃね?」


 エーレンフリートは話しながら給仕のお盆に乗っていたワイングラスをローデリヒに渡そうとする。ローデリヒはジギスムントに止められていると断った。
 それを受けて、エーレンフリートは給仕に果実水を二人分持ってくるように命じる。給仕が去ったタイミングで、ローデリヒはエーレンフリートに聞いた。
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