この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。【完】











 ――同時刻、ココシュカ。

 真っ赤なドレス。派手な装飾品を身につけ、髪をきっちりと結わえた女性が街の往来のド真ん中に立っていた。いきなり現れた彼女に周囲は騒然とした。妖艶な顔立ちも相まって、かなり目立っているのだが、本人は有象無象の視線など気にはしない。


あの子(・・・)からの連絡だとここなのだけれど……、転移だとかなり魔力を使ってしまうわね」


 一人難しい顔をした女性――ハイデマリーは、近くにいた人間に声を掛けた。


「そこの貴方。金髪の男を見なかったかしら?」
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