ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
東輝がそろりと自分の隣を見遣る。
そこにいる小唄は、里宇を見てぽーっとした顔をしている。
……予防のつもりで連れて来たけど、被害者出しちゃったかな……。
「あ、あー……うん。里宇ちゃんは傾国(けいこく)の美姫って言っても遜色ないから……」
「教師からも言い寄られてるもんな、お前」
「「ええっ⁉」」
美結と東輝の声が重なった。
「何それ! 想、私聞いてないよ⁉」
「さすがにそれはヤバいだろ! 里宇! 無事なのか⁉」
一気に顔色が悪くなった美結と東輝。
そしてこれだけ周りで騒いでも正気に戻らない小唄。
「さすがにそんなキモい奴は竹刀でぶっ飛ばしてるよー。交番に。何人か懲戒喰らってるー」
へらへらと話す里宇。
こういうところがバカなんだよなあ。