ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】

美結ががっちり僕の腕を摑んでいるのを目撃されてしまった。

しかしおじさんは僕に怒るでもなく、何故かにこにこし出した。

「想くん! 美結のこと頼むよ。いつでも遊びにおいで。うちはみんな待ってるから」

「あ、ありがとうございます。帰りも送り届けますんで」

僕が答えると、おばさんは手を振ってくれて、おじさんは口元に手を添えて言った。

「よろしく~」

「美結、想くんに迷惑かけるんじゃないぞ」

……美結の両親の反応が僕にはナゾだった。色々と意味がわからない。

何故僕のことがスムーズに認められている? 

年頃の娘の親ってそういうものなのかな? 

そもそも付き合っているとか一言も言ってないんだけど……明らかにわかられているよな?

保育園から一緒だから、美結のご家族は僕のこと知っているし、僕の家族も、だ。

僕の腕を引いて、一言も発さずに突き進む美結に並ぶ。

「美結? おばさんたちに話したの?」

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