ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】

「美結の前にいる野郎全部」

僕は若干睨み気味に尚を見遣る。

僕の美結大事を邪魔するなら尚でも容赦は出来ない。

「落ち着け。元々お前が傍に居すぎる所為で、美結に近づこうなんて考える奴は少数派だ」

「美結の可愛さは俺なんかじゃ一掃出来ない! ってか少数派ってことは数は少なくてもいるじゃないか!」

「死ね、アホ」

尚からとてつもなく冷えた声で言われた。

仕方ないので渋々教員室の方に戻る。鍵返さないといけないし。

あ、今気づいたけど、僕のバカへの口癖、もしかしたら尚に影響されているのかも……。

「里宇には話したのか? あいつ、美結に『お姉ちゃんになって』って口説きまくってけど」

「! 俺より先に里宇のが口説いてたのか! ちょっとあのバカ墓に埋めてくる」

「止まれアホ兄貴」

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