希空~空姫に希望を。~
「なんで空姫は話さないわけ??
つか物事を知らなさすぎ。
記憶喪失でもないなら一体何なんだよ」
「……」
相変わらず総長サマの鬱憤は溜まっていたらしい。
久々に諷賀の家に泊まりに行ったら、盛大に愚痴を言い始めた。
内容は空姫であるシイナのことだけでなく、旋矢や守唄に対するものも。
でも七瀬に対するものが1つもなかった。
積極的にコミュニケーションを取らないとはいえ諷賀の邪魔をしてないことに気づいたのか?
ま、オレは希空幹部全員いい奴だと認めたけどな。
「…いつも悪いな」
「あー?いーっていーって」
ベッドに腰掛けた諷賀に手を振って応える。
正味半分くらいしか聞いてねぇし。
「ところでさ」
「んぁ?」
「僕達シイナを普通に寝泊まりさせてるけど、
捜索届とか出されてないよな?」
「……」
「シイナが普通じゃないってことは言動からわかってるけど、
親がどう扱ってたかなんかわかんないよね」
「過保護に育てられた箱入り娘ってこともありうるもんな。
ポテチとかピザとか初めてだったし」
「そ。
シイナの身元を洗ってもいいかな?」
それ、質問でも確認でもねーよな。
やるって宣言だよな。
「つってもフルネームすらわかんねーのに
探すのはしんどいっしょ」
「明日聞けばいいよ」
「だなー。
お、また新しいソフト増えた?やりてー!」
「1時間だけならやってもいいよ」
「うっしゃー!
諷賀をぼっこぼこにしてやる!」
このあと1時間対戦ゲームをしたけど、オレは諷賀に一度も勝てなかったのだった…。