あなたを好きだった頃、
でも西原くんは私の事なんか知らない。ただの同じ学校の人くらいなんだろうな。
私は「直れ」の合図で両腕を下げた。さっきまで触れそうだった指先が名残惜しくて悲しくなる。踏み出せば1.2歩で近づけるこの距離がとてつもなく遠く感じた。この距離が埋まることなんて無いんだろうな、と西原くんの背中を見上げていた。
「今日は体育理論でーす。今日の授業は甘利先生に筋肉のお話をしてもらいます。というわけで、皆その場に座っていいぞー!!」
体育の先生が今日の授業についての説明をした。甘利先生と聞いた瞬間、前の方に座っていた他のクラスの女子達が歓声を上げた。甘利先生は去年新しく入ってきた新任の体育の先生だ。私達の高校の卒業生で、高校生の時はバドミントンでインターハイに行ったほどらしい。そして何よりも爽やか系のイケメンで、去年から女子達に人気の先生だった。
私は「直れ」の合図で両腕を下げた。さっきまで触れそうだった指先が名残惜しくて悲しくなる。踏み出せば1.2歩で近づけるこの距離がとてつもなく遠く感じた。この距離が埋まることなんて無いんだろうな、と西原くんの背中を見上げていた。
「今日は体育理論でーす。今日の授業は甘利先生に筋肉のお話をしてもらいます。というわけで、皆その場に座っていいぞー!!」
体育の先生が今日の授業についての説明をした。甘利先生と聞いた瞬間、前の方に座っていた他のクラスの女子達が歓声を上げた。甘利先生は去年新しく入ってきた新任の体育の先生だ。私達の高校の卒業生で、高校生の時はバドミントンでインターハイに行ったほどらしい。そして何よりも爽やか系のイケメンで、去年から女子達に人気の先生だった。