あなたを好きだった頃、


 少し遅くなっちゃったけれど、今からあなたにあの日しようとしていた話をしようと思います。
 そう、2年前の3月3日。卒業式の日の話です。
 覚えてくれてるかな?
 14時半に正門前。そう約束したこと。
 
 そして、その約束守れなくてごめんなさい。

 あの時、もう駅の方に向かって歩くあなたを何故か追いかけられなかった。
 ううん、追いかける勇気が出なかったの。
 気持ちを伝えたら、全て終わっちゃうんじゃないかって。
 私はあなたが思ってるような人じゃないから。
 もっと弱くて、もっとめんどくさくて、幸せが何かもよくわかってなかった。
 だから、あなたと出会ってこんなに幸せな夢を見ているのに、いつかその夢から覚めてしまうんじゃないかって怖かったの。

 本当は私もあなたもよく似てるのにね。


 でも、それが私の一生の後悔になった。
 だから、
 もう遅いけど
 あなたに今からあの時の告白をさせてください。
 最後まで読んでくれなくてもいいから。あなたに届けばうれしいです。



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