浅葱の花びら
六、総司
山崎君の後ろについてきた藤太郎を見て
皆が可愛いとか綺麗だとか
別嬪だって誉めていたけど


僕は、藤太郎の異変に気がついた



座ろうとしない藤太郎の帯に手を掛けた



「総司!!何してる!!!」

「脱がせるの手伝って!
藤太郎、息出来てない!!!」



ひゅっ と、小さな音をたて

藤太郎が気を失う


僕は、その体を受け止め
呼吸しているのを確認した



「着物に不慣れな藤太郎が
コレを毎日自分で着れるかな?
苦しくても、何かあっても声が出せない
女中は、無理だよ」


「着物は、慣れだろうが
総司の言う通り
助けを呼べないのは、問題だな」


「僕の組に入れて下さい!
一緒にいたら、僕が守ってあげられる!」




< 76 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop