美男子の部屋に保護されました
警察だ、検察だと、あちこちに呼び出されてバタバタしているうちに、あっという間に日々は過ぎて行き、気づけば、12月。

街は、クリスマス一色に染まっていた。

図書館もロビー中央にツリーを飾り、その周りの目立つところにクリスマス関連の本を並べた。

クリスマスの話の絵本や児童書はもちろん、プレゼント用に編み物の本やラッピングの本まで。


で、思う。

クリスマス…
どうしよう。

今まで、男性にプレゼントなんてあげたことない。

どんな物をあげれば喜ばれるんだろう。


編み物は、一緒に住んでたらすぐにばれちゃうし…


大和さんの好きなもの。

本?

いや、本屋さんに本をプレゼントってないよね。


ドライブ…

車?

いや、あるし、無理だし。


映画?

形に残るものがいいけど、DVDじゃ味気ないし。


無難にネクタイとか?


みんなはクリスマスに何をあげてるんだろう。



「ねぇ、優美はクリスマスプレゼントって、
もう買った?」

お昼ご飯を食べながら聞いてみる。

「何? 突然。」

優美が箸を止めてこちらを見る。

「いや、クリスマスプレゼントって、何を
買えばいいのか、分からなくて。」

正直に相談する。

「まぁ、相手が喜びそうなものじゃない?
私は財布にしたけど。」

「財布かぁ。」

「いつも私のために使ってくれる物だし、
『いつも身につけてて欲しくて…』って
言って渡したら、相手も喜ぶしね。」

ここまで打算的だと、却って気持ちいいかも。

でも、そうかぁ。財布かぁ。
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